実行委員長から映画祭10周年によせて

今年は映画祭10周年ということで、第1回のときのことを思い出しています。せっかく始めるのだから一度でやめたくないと思い、「第1回」と付けてしまいました。同時に、続けるということにこだわったり、続けることを目標にすることはやめようと思いました。「続ける」ということにとらわれると、自分自身が無理をしたり、スタッフに無理強いをすることになるかも知れないと心配したからです。

第5回くらいになると、少し気持ちに変化が現れました。「ずっと来たいと思っていましたが、ようやく来られました!」という観客の方の声を聞き、続けてきて良かったと思いました。「続ける」ということは、前にあるとプレッシャーですが、後ろを振り返って「続いたなあ」と思えば嬉しいものであることが分かりました。

これからも、「続けたい!」ということではなく、「青森でLGBT映画祭をやっているから、そのうち行ってみようかな」と思っている人がいるかもしれない。そのことを忘れないでいたいと思います。

第1回からずっと変わらずにお力を貸して下さった多くの方々、会場に足を運んで下さった観客の皆様、ここ数年コラボでメッセージ展を開催しているスクランブルエッグのメンバー、そして頼りになる楽しいスタッフたちに心から感謝しながら、10周年のご挨拶とさせていただきます。

青森インターナショナルLGBTフィルムフェスティバル
実行委員長 成田容子