メッセージ / Message

『ぼくが性別「ゼロ」に戻るとき ~空と木の実の9年間~』監督 常井美幸さんより

性別の向こう側に隠れていた「ありのままの自分」
「どうしたら自分らしさを失わずに、この社会で生きていけるのだろう?」私は常に自 分自身に違和感をもちながら、自分の居場所を探してきました。人格の根幹である「性」が揺れている人たちを描くことで、その答えを見つけようとしたのかもしれません。

登場人物たちはそれぞれ「自分とは何者か」「自分らしい生き方」を真剣に模索する人たち。「性別」という枠を超えた向こう側には、本当の自分がいることを見つけた人たち。彼らと出会うことで、私は自分の生き方を問い直し、新たな気づきをもらい、自分が目指す社会へのイメージを膨らませるきっかけをもらいました。

このドキュメンタリーは「性別」をモチーフにしていますが、「性別」のことだけを描きたかったわけではありません。男と女だけではない、いろいろな形の性別があることを描くことで、カテゴリーの枠をはずれて自分らしく生きられる社会、ひとりひとりが互いの違いを超えて受け入れあえる社会。そういう自由な社会に少しでも近づけたらと思って制作しました。

このたび青森インターナショナルLGBTフィルムフェスティバルで公開されるにあたって、ひとりひとりが自分らしい生き方を問い直すきっかけになったらうれしいです。

『おばけのマリコローズ』監督 小林でびさんより

みなさん、おひさしぶりです。
『おばけのマリコローズ』監督の小林でびです。
青森LGBT映画祭に『おばけのマリコローズ』で上映していただいてから12年ですかあ! 今年また再び上映していただけること、すごく嬉しいです。マリコローズ様もさぞかし喜んでいることでしょう。「おほほ」

正直、コロナ禍が始まってから僕も小さな規模の作品しか撮らなくなってしまいました。それは感染対策もあるのですが・・・大きな作品を撮るような強いモチベーションが保てなくなってたんです。なぜなんだろう?と考えてみたんですが・・・それってたぶん映画仲間や俳優仲間たちと集まって一緒に飲んだり、お茶したり、大人数でワークショップしたり、コミュニケーションする機会が激減したせいかもしれないと。で、昨年末くらいから積極的に人と対面でもズームでもTwitterスペースとかでもいいから会うようにし始めて、で、いま長編映画の脚本を書いています。

家でひとりぼっちでモチベーションを保つのは大変。やはり仲間と会うって大切なんですよ。自己肯定感って、仲間とコミュニケーションを重ねることで維持できるもんなんだなーと。

そう。こんな今だからこそ!仲間で集まって映画を観る会を開催するって素晴らしいことだと思うんです。成田さんはじめ青森LGBT映画祭スタッフの皆さんを僕はリスペクトします。
集まってみんなで映画を見ましょう。感想を語り合いましょう。それは対面でもズームでもクラブハウスでも。そしてもし僕の映画『おばけのマリコローズ』を楽しんでくださった方がいらっしゃったらTwitter等でつぶやいてくださったら嬉しいです。エゴサーチして絶対お返事いたしますのでw!

では楽しい映画の時間を!我々はひとりじゃない!

小林でび